身体介護はよく生活援助と混同されますが、前者は利用者の身体に働きかける業務となります。例えば食事や入浴、排せつなどの介助については、利用者の身体に触れずに対応することはできません。これに対して生活援助は、掃除や洗濯などの家事全般を指します。生活援助はあくまで生活する上での最低限のサポートになるため、ハウスクリーニングや部屋の模様替えなどは含まれません。
介護職として働くためには、まずは職場がどのような業務を主力としているか確認する必要があります。一般的には介護職の仕事内容は身体介護が中心であり、特別養護老人ホームや老人保健施設、訪問介護などにも共通しています。介護施設のタイプには入所型と通所型、訪問型の3タイプがありますが、いずれも生活援助の業務は一部に限られており、身体介護が中心になると考えてください。身体介護は利用者のサポートをするだけでなく、体調をチェックする意味合いもあります。生活の質を向上させるためには、自分でできることは自分でやろうと考える姿勢が大切です。介護士は利用者のサポートをするだけでなく、自立を促進する視点が求められます。身体介護で注意したいのは介護士がやりすぎてしまうことです。利用者に甘えが生じてしまうと、すべて介護士に丸投げするようになる可能性があります。自身で動こうとしなくなれば筋肉や基礎代謝が低下するなどのデメリットが生じてきます。利用者の健康維持のためにも、身体介護は必要な範囲に抑えることが大切です。このように、身体介護と生活援助には大きな違いがあるため、様々な参考サイトを確認しながら理解を深めるといいかもしれません。